エチオピア紀行

 

               エチオピアの大地は落差100mの崖が多い

 旅の初めに・・・

2019年9月、アフリカ54か国の内30カ国となるエチオピアを訪れた。

エチオピアと聞いて連想できるのは6つある。
 1.アベベ・ビキラ のマラソン2大会金メダルなど、陸上に強い国。
 2.コーヒーの樹、発症の国。
 3.青ナイル源流の国。
 4.地下に教会群がある国。
 5.ソロモンとシバの女王の伝説。
   6.人類最初の二足歩行ルーシー。

などを認識している。特に地下教会は誰がどんな方法で造ったのかに興味が募る。またコーヒーの樹を発見した発祥の国のコーヒーを是非味わってみたい。何かと話題のある国ゆえ満を持して旅立つ。

 成田~ソウル経由~アジスアベバ間は15時間程度       機内食は昨今どこも同じ  エチオピア機の客室乗務員は美人が多い

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   ☆ 到 着

      アジスアベバ国際空港           アジスアベバの街並み

今回はアジスアベバ以北を回る バハルダールのホテル、町の人口は30万人

 今回の主な観光地巡り

 ・アジスアベバ~首都。人口327万人。
 ・バハルダール~ 青ナイル川の源流のタナ湖の南岸に位置する。人口24万人
  ・ゴンダール~1600年代エチオピア帝国の首都であった。
1936年1941年のイタリア占領期
        
には、イタリア人居住用の新市街が建設された。
  ・シミエン国立公園~ユネスコ世界遺産。アイベックス、ゲラダヒヒアビシニアジャッカ
   ルブチハイエナサバンナダイカーチョウゲンボウ猛禽類)などが生息している。
  ・アクスム
~アクスム王国の中心地。人口6万人。
  ・ラリベラ~人口17,367人。世界遺産ラリベラの岩窟教会群」がある。 キリスト教の聖地の一つ

 先ずはビールで乾杯!昨今はどの国も美味い     チャーハンに肉野菜炒め風?          デザート

 ワンポイント情報

 国名    エチオピア連邦民主共和国  
 民族構成  大多数は黒人アラブ人の混血の大多数を占め、80以上の異なった民族集団
 
面積    日本の約三倍      ・宗教  キリスト教,イスラム教他     
 
人口    約1億922万人       言語  アムハラ語,オロモ語,英語等   
 
首都    アデイスアベバ        ・産業  穀物,コーヒー、畜産業    
 
宗主国   1936年から5年間イタリアに支配された。以外は植民地にはならなかった。          特徴    渓谷、川、断崖などで交通網などのインフラが整わず、輸出入がおぼつかず国の財政が厳し
        い。1日1ドルの生活が国民に強いられている。 

 平均寿命  64才         識字率 49%  

      国道わきの土産物屋、殆どが手作りオリジナル品、誰も買わない?

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    ☆タナ湖(青ナイルの源流)

  

 淡水。エチオピア最大の湖で青ナイル川の源流である。
 深さは最大15 m、面積は約3000 km2(琵琶湖の五倍)で、海抜1800 m。この湖の特徴とし
 て、37の小さな島が点在していること。島に計29の修道院が散在していることが挙げられる。
 漁業を支える魚類の7割が固有種である。

 この島に何故29もの修道院が作られたかと言うと、イスラムの攻勢から逃げたためという。

     沿岸からタナ湖までは小一時間     修道院は藁ぶきの粗末な造り、住民も貧しそうだ

内部には字の読めない人々の為に宗教画         これが教会

 古い絨毯、エチオピアは全て靴を脱いで

  ☆珍商売

島につくと大勢の長靴レンタル屋が、前日の雨で道がドロドロ、商売繁盛だ!   島の中ほどにあるナイル川源流の看板  観光客相手にヘルプが一人づつ、転んで泥だらけになるので助かる。女性は恋人気分。

タナ湖の住民の家は木を切って並べる 畑にはトウモロコシ

  ☆青ナイルの源流

  この一滴がタナ湖へ、そしてナイル川へ  この水流は水力発電には十分だが、そうすると下流のエジプトのアスワンダムに影響するので
 エジプトから圧力がかかりダムを作れないと言う。ダムがあると経済効果があるのだが・・・

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   ☆エチオピアは放し飼い

 エチオピアの産業の代表は「畜産業」、国道や街の中や野山にも多くの動物が。だから草刈は不要。

  こちらは羊の群れ、車は慎重によけて通過する。事故で亡くなると弁償    この群れは山羊さん、必ず群れには見張り役がいる

  ☆街並み

 エチオピアの宗教はキリスト教信者が多い。エチオピアの民族衣装は「アベシャ リブス」と呼ばれる、男女とも白を基調としたもの  エチオピアの建築資材、足場は木を使用。東南アジアは竹を使用する

 レストランでもコーヒーはフライパンで焙煎     コーヒータイムには乳香を焚く  この国は何故かビリヤードをする人が多い

      何の花?  火焔樹 エチオピア主食として食べられている食品がテフ

     テフはイネ科の穀物  主食がインジェラと言い、クレープにしてその上に煮込みや野菜、肉類をのせて食べる

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     ☆結婚式

エチオピアの結婚式は昔の城郭や教会で行われる。他に式場がないからだ         女性達は写真がお好きなようで

  エチオピアの女性は美人が多く、しかもナイスバディ            新郎新婦

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   ☆お仕事

        タクシーは三輪車              一輪車で運搬

           ロバは忠実な運送手段        靴磨きもミシンも男性が多い

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    ☆マスカル(花)

                   国中に黄色い花が咲き乱れる

マスカルの花はひな菊の一種で、9月のエチオピアの新年になると、国中の高原地帯に咲き乱れ、12月に花の終わりを迎える。

アフリカ大地溝帯のなかでは、標高が高いほど見られる。車窓からみごとなマスカルの群生が見え始め、野から山から黄色い花で埋め尽くされる。。

マスカルの花の正式名称は、ハムハラ語でアディ・アベバ、新年のあと、やはり9月に行われるマスカル祭(十字架伝説の祭り)にちなんで、マスカル(十字架)と呼ばれ、国民的な花になっている。

マスカル=日本の桜といった感じ。

         濃いマスカルの花            うすい色のマスカル

    ヒツジや山羊の御守役のお兄ちゃん 富士山7合目とほぼ同じ3,075m

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   ☆シミエン国立公園(標高3190m)

       今夜はコテージ泊り             ヒヒの群れ

ミシエン国立公園

 タナ湖の北東約110kmの一帯に広がるシミエン山地を対象とする220km2に及ぶ国立公園。

 シミエン山地にはエチオピア最高峰(アフリカ大陸第4位)のラス・ダシェン山(標高4620m)をはじめとする高山が続き、「アフリカの天井」とも呼ばれている。この厳しい自然環境のなかで、独特の動植物たちが生息している。

 アイベックス、ゲラダヒヒ、アビシニアジャッカル、ブチハイエナ、サバンナダイカー、チョウゲンボウ(猛禽類)などが生息している。

 野生動物が多いので、バスには銃を持った警備員が警護のために乗り込んできた。

            ヒヒ          アイベックス       

                ハイエナ          ジャッカル

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 ☆大地溝帯

      四角や三角の山が連なる     100mを超える山や谷が特徴。エチオピアはこのような景色が連続

 大地溝帯(だいちこうたい)は、主にアフリカ大陸を南北に縦断する巨大なで、プレート境界の一つである。大地溝帯の谷は、幅35 - 100 km、総延長は7,000 kmにのぼる。正断層で地面が割れ、落差100 mを超える急なが随所にある。 

 狭義の大地溝帯は、エチオピアを南北に走る高原地帯を云う。

アフリカ大陸は平均の標高が600mだが、アジスアベバは2400mと高い エチオピアは大地溝帯が走り、落差100mの崖が随所にあるため。植民地化にならなかった

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    ☆ 国 道

   旅はトヨタのマイクロバス、殆どが日本車         国道を行くラクダのご一行様

           羊と山羊は道路わきの草を食べてくれるので、町も田舎も草刈不要

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    ☆マスカル祭は結婚式シーズン

馬車で新郎新婦が町中をお披露目

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   ☆アクスム(かっての王国)

    遺跡の中に建つオベニスク(記念碑)  シバの女王の神殿跡」は「アクスム」にある。「紀元前10世紀」に建てられた「3階建て」で「50もの部屋」があったとされている広大な「シバの女王の宮殿」があったとされる「遺跡」。

              ソロモンとシバの女王

       動画・・・ シバの女王 レーモン・ルフェーブル

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   ☆エチオピア略史

 ・古代 イエメンサバ王国から住民も少数移住し、ソロモン王サバの女王の血筋を受け継ぐと称する
     
アクスム王国100年940年)がアクスムに誕生した。
 ・エチオピア帝国
     1270年から1974年まで存続したアフリカ東部の国家。現在のエチオピアおよびエリトリアにほぼ
     一致する領域を支配し、最大版図は現在の
ソマリアジブチケニアスーダン南スーダン
     ジプトアラビア半島の一部まで及んだ。欧米のアフリカ分割の最中にあって独立を保ったアフリ
     カ最古の独立国である。
 ・イタリア領東アフリカ
    
 1935~1941年、イタリア王国の統領ベニート・ムッソリーニは、1931年の時点で人口4200万人に
     達していたイタリア
国内の過剰人口を入植させるための「東アフリカ帝国」の建設を目論み、エチ
     オピアを支配した。しかし、イタリアが第二次大戦で敗戦しエチオピアは独立した。王政も廃止さ
     れた。
 ・隣国エリトリアとの冷戦が1952年から続いたが、2019年和平した。
     貢献したアビイ首相がノーベル平和賞を受賞した。

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   ☆エチオピアの主食:インジェラ

 田舎では石の上に鉄板を置き、テフ(イネ科の穀物)の粉を焼く  クレープ状にしたインジェラの上に煮込みや野菜や肉をのせて手で食べる

 イネ科穀物であるテフ(イネ科の穀物)の粉を水で溶いて3日かけて発酵させ、巨大な鉄板で薄いクレープ状に片面だけ焼き上げてインジェラは作られる。

 トウモロコシモロコシからもインジェラを作ることができるが、テフで作ったものの柔らかな手触りと独特の食感が特に好まれている。エチオピアの一般の家庭では、テフにトウモロコシと大麦の粉を混流したものが使われる。

観光客用に出された普通の料理、インジェラもあるが・・・   口に合わないので少しづつ、ゆで卵が一番おいしい

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   ☆コーヒーセレモニー

 一般家庭(中流家庭)の家にお邪魔して、最初から見せてもらう。先ずは生豆を煎る、香りが充満して部屋中が甘い匂いで包まれる      子供がパンを配る

 コーヒーセレモニー

 コーヒー・セレモニーとは、エチオピアとエリトリアの伝統的な習慣であり、コーヒーを飲むことを儀式化した作法の一つである。エチオピアではカリオモンと言い、「カリ」とはコーヒーノキの葉、「オモン」は「一緒に」という意味である。

 日本の茶道と同様、コーヒーを飲むという行為に精神的な要素や教養などが含まれる文化的な習慣であり、他者に対する感謝ともてなしの精神を表すものである。

 女性が執り行うものであり、エチオピアでは結婚前の女性が身につけるべき作法の一つとされている。冠婚葬祭の際や、大切な客を迎える際などに行われる。使われるポットやカップなどの茶器は女性が実母からや嫁ぎ先で代々受け継がれてきたものであることもある。

 客の前でコーヒーの生豆を煎るところから始め、3杯飲むことが正式であることから、1時間半から2時間以上かかる場合もある。その間は香を焚き、客はパンやポップコーン(ファンディシャ)などを食べながら待つ。

            ようやく出来上がり  とっても濃厚、サトウを入れるとまろやか、さすが・・・

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   ☆ラリベラの岩窟教会

 エチオピア中心部の山地にあるキリスト教の教会群。

 12世紀、第2のエルサレムをと考えた、サグウェ朝のラリベラ王によって、ヨルダン川の両岸に一枚岩をくり抜いて造られた。
 川の北側にはゴルゴダ・ミカエル教会、聖マリア教会など、川の南側にはエマニュエル教会、ガブリエル・ラファエル教会など11の教会がある。11番目の聖ギョルギス教会は巨大な十字架を象った独創的な建築。

 イスラム教国に囲まれたエチオピアのキリスト教信者は、異教徒の襲撃を避けるために、このような教会を造ったという。ラリベラはエチオピアのキリスト教にとって崇高な場所であり、現在も巡礼と信仰の場として崇められている。

何十年も敷かれた絨毯には「ダニ」が寄生?清潔な日本人は靴下の上からレジ袋をかぶせてダニ対策。そこまでやるか!と欧米人。 各教会には聖職者が待機、多くの聖職者は観光客によるところの収入で生活が成り立つ

 聖職者の卵たち、小学生から20才までは青空学校で学ぶ 先生はラリベラ王の絵を羊の皮に描いて売り、子供達の面倒を見る。一枚500円程度

            こちらは大人の民芸品売り場、全部手作り

  ベテ・ギョルギス教会は地上から掘り下げている  最も有名な教会一枚岩でできているギョルギス教会は、縦横12m、十字架の形に掘られ、高さも12mあり、屋根が地表と同じ高さにある。誰がどのようにして作り上げたのか謎であると言う。

異教徒の襲撃から逃れるためにこんな地下に造ったと言われる。     靴を脱いで、レジ袋をかぶせて中を見学

        教会群の中には天国への道がある  こちらは地獄の道、20mほどの道は真っ暗闇、左手を壁に右手は天井に触りながら歩く

テロや異教徒からの襲撃?に備えて警備をしているようだ 教会は地下でつながっており、迷路を進むようで楽しい?

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  ☆ラリベラ村

教会群を作るため強制退去させられ、新しい村へ 各家では山羊や牛を飼っているが、野生動物対策としてこの木を塀の代わり、毒の樹なので来ない エチオピアの田舎は木を立てかけ、その上から牛の糞を塗る。

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   ☆マスカル祭

 メイン会場に行くため、キリストのプラカードを持ち集まる    ひな壇にはエチオピア教会の一番偉い人(右)と左はNO2

 マスカル祭

 エチオピアのマスカル祭は、エチオピア暦のマスカラム17日(グレゴリウス暦の9月27日、うるう年は9月28日)に行われる宗教的・文化的なフェスティバル。また、このマスカル祭は、2013年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されたフェスティバルでもある。

「マスカル」とはエチオピアの公用語のアムハラ語で「十字架」を意味し、マスカル祭は「真実のクロス/十字架を発見した日」と言い換えられる。

 キリストが磔刑になった十字架(=真実のクロス/十字架)はゴルゴダの丘に埋められたが、その場所は後世には伝わっていない。4世紀に、ローマ帝国のコンスタンティヌス1世の母・聖エレナが、イェルサレムへの巡礼の旅の際に、このキリストが磔刑になった十字架を見つけたと言われている。この真実のクロス/十字架の発見をお祝いするのがマスカル祭。

 エチオピアでは、マスカル祭の前日のエチオピア歴でマスカラム16日(グレゴリウス暦で9月26日、うるう年は9月27日)に、各都市や村の大きな広場に設けられた「デメラ」と呼ばれる円錐状に木の枝の束を積み上げたものの周りに集まって、教会のお説教を聞き、最後に「デメラ」火をつけて燃やす。「デメラ」を燃やすのは、聖エレナが真実のクロス/十字架を発見する前に、『お香を焚くと、その煙が真実のクロス/十字架が埋まっている場所を指し示し、真実のクロス/十字架を発見する』というお告げの夢を見たことに由来するそう。また、広場に集まる際、人々は白地に刺繍の入ったエチオピアの伝統衣装を着ていることが多く、大変美しい。

 マスカル祭は、もともとキリスト教の宗教的なお祭りなのだが、この時期は、仕事の都合などで普段は離れている家族が集う時期ともされている。マスカル祭では、女性はエチオピアの伝統的な食事を作り、男性は牛を屠殺する。このようなエチオピアの伝統が、親から子へと受け継がれるタイミングともなっている。また、マスカル祭までに人々の間の紛争は、長老によって解決される。マスカル祭に合わせて結婚式を行ったり、マスカル祭に伴う舞踊で将来の結婚相手を見つけたりするそうだ。このように、マスカル祭は宗教的な側面のみならず、文化的な側面も持っている。

       十字架を抱えて三々五々集まる    音楽隊も景気よく、プウオ~、ババ-バン~

  何万人も集まる広場は祭りが延々と続く  仮装行列もどきや歌や踊りで行進が続く 夜7時、暗くなったらマスカル花を燃やして終了

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   ☆エチオピア有名コーヒー

新潟から、真ん中の二人の結婚式にはせ参じた日本人ご夫婦   アジスアベバで一番人気の「トモカコーヒー」

         世界のコーヒー産地は、赤道を挟んで分布

        エチオピアの山奥のコーヒー園     エチオピアではコーヒー産業に携わる人が25%

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  ☆陸上が強い!

エチオピアの標高は2000m程度が多く高度順応に適しており、国民の多くは貧困でもありマラソンや長距離で好成績を残せば生活が保障されるので懸命  オリンピックでは毎回エチオピア選手が好成績を残す

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   ☆ルーシー(人類初の二足歩行者)

 ルーシーはエチオピア東北部のハダール村で発見  ルーシーに会えると言う、アジスアベバの国立博物館を訪れる

 ルーシー (Lucy) とはエチオピア北東部ハダール村付近で1974年に発見された318万年前の化石人骨
 
アウストラロピテクス・アファレンシス(アファール猿人)の中で最初期に発見されたもののひとつであり、全身の約40%にあたる骨がまとまって見つかったという資料上の貴重さから、広く知られている。

 ルーシーをはじめとするアファール猿人の化石人骨群が発見されたアワッシュ川下流域は、1980年ユネスコ世界遺産リストに登録された。 

 この猿人の発見は、類人猿に近い脳容量と人類に近い直立二足歩行を行なっていた痕跡を示す人骨という点が注目されている。

 完全に復元できた骨盤仙骨から骨盤の開き具合を判断し、これが女性の人骨であると考えた
 ルーシーは身長 1.1 m
、 体重29 kgで、一般的なチンパンジーに近いようにも見える。しかし、この小さな脳、骨盤、足の骨を持つ存在は、機能的には現代人と一致しており、確かに直立歩行していたことを示している

 化石を組み立てたらこのように  現代科学で復元すると、やはり女性

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 旅を終えて・・・

 今回で142か国を終えた。一方アフリカ大陸には54か国があるが、今回で30カ国を訪れることが出来た。大陸別にみるとやはりアフリカが一番印象に残る。

 理由は簡単だ。素朴で、原始的で、科学や近代化とは縁がない国が多い。アフリカの国の飛行場に一歩踏み出すと、空気も景色も当然人も違う。目が点になることが多い。

 今回は標高の一番高いシミエン国立公園が3200m、そこから一気に1000mの村まで中型の20人乗りバスで下りてくる。トヨタ車だから安心だが、道路が狭く悪路が多い。2000mを下るのだからエチオピア特有の大地溝帯を通過するのは命がけである。日本で言うならば日光のイロハ坂の連続である。

 こんな特殊な国土ゆえ、その昔ヨーロッパ諸国はどの国も植民地になどしなかったのがうなづけた。それが幸か不幸か現代でも不便は続いている。
 子供たちはお菓子や飴玉などとは無縁なのだ。子供も大人さえもガイドでさえ日本のボールペンを欲しがる。

 だが今、中国が現代版植民地化を目指している。インフラや畜産業に力を入れているようだ。国内に畜産の屠殺場を多数作り、肉類を中国に持ち帰るようだ。中国も15億の国民を養うのに必死なのであろう。

 当初の目的である観光地はほぼ見終えた。コーヒーも飲んだ、買った。大満足で帰途についた。

                                     おわり

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